2021年5月25日火曜日

データセンターのスペースと電力の最適化

消費者や企業・組織のIT利用方法の絶え間ない変化は、企業の活動や運営の手法にも変化をもたらします。それと同時に、IT技術も速いペースで進化しています。この2つの要素が意味するのは、ビジネスのスピードに合わせてITを運用しなければならないということです。ITの遅れはビジネスに悪影響を及ぼします。

 

IT部門がビジネスのスピードに合わせるためには、ビジネスとテクノロジーの両方の面で急速な変化に対応できるよう、中心チームが常に最新の情報を把握しなければなりません。最新の情報を得ることで、ITの中核であるデータセンターを継続的に最適化できます。そしてほぼ例外なく、このような最適化はデータセンターという物理的な枠の中で行われなければなりません。  

すべてのデータセンターは、グレーのフロアスペースと白のフロアスペースに色分けされています。グレーフロアにはバックエンドのインフラ(スイッチギア、UPS、チラーなど)が置かれ、白いフロアにはサーバー、ラック、ストレージ、配電システムなどのIT機器が置かれます。一般的なデータセンターのグレーとホワイトの比率は30:70です。白地の床面積の約45%をラックが占め、残りをホットアイルとコールドアイルが占めています。つまり、データセンターの総床面積のうち、実際に生産性があるのは30%にも満たないということです。 

Covid19の大流行にも関わらず、床面積単価は依然として高価であり、データセンターの増設及び、さらに大きなデータセンターを新たに建設するのは非常にお金のかかるオプションです。 さらに企業やその顧客、規制当局は気候変動への関心を高めており、データセンターは大量のエネルギーを消費します。このような制約の中で、データセンターを最適化したいと考える企業は、増える一方です。 

データセンターのフロアスペースの3分の1未満がビジネスをサポートし、ビジネスの成長に貢献していることを考えると、人々のビジネス関心が縦方向に広がり進んでいることは驚くことではありません。これは、単純にラックの高さを増やしたり(耐荷重が必要)、パッチパネルやネットワークスイッチなどの機器をラックの上に再配置するという形で行われます。また、多くの場合、どのラックにも利用されていないスペースがあります。この活用されていないスペースはラックごとに一様ではないので、それぞれのラックを調べて、何を再配置したり追加したりできるかを検討する必要があります。 

ラックスペースと同様に、ラック内の電源も通常は十分に活用されておらず、最適化することができます。バスダクトやインテリジェントPDUを使用すれば、ラック内で消費される電力量をリアルタイムに、あるいは一定期間内に正確に把握することができます。このような情報は、稼働していない資産処理を特定したり、少ない出力計算で不相応に多くの電力を消費している資産を特定したり、エネルギー効率の計画に役立てたり、電力保護、配電、冷却インフラ機器の容量計画に役立てたりすることができます。  

単相電源を使用しているデータセンターで、電力容量が上限に近づいていたり、ラックスペースが不足していたりする場合は、三相電源に切り替えることで、各ラックにより多くの資産を配置することができるという、非常に賢明な解決方法があります。  

つまり、ラックの垂直成長に投資することは、長期的にははるかに有益なのです。  

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