日常的に略語や頭字語を使っていると、それが何の略だったのか忘れてしまうことがあります。そこで今回は、データセンターでラックに収納できる機器の数を計算する際に使用される測定単位「U」について、少し詳しく解説します。
「U」または「RU」は「ラックユニット(Rack Unit)」の略で、サーバーラックに取り付け可能な機器の高さを測るための標準的な単位です。1ラックユニットは1.75インチ(約4.4cm)に相当します。ラックに縦に並んでいる取り付け穴(ねじ込み式、角穴、または丸穴)を見れば、ラックユニットの高さを見積もることができます。穴3つ分が1.75インチ、つまり1Uです。これらの穴は、機器をラックに取り付けてしっかり固定するために使われます。
一目で収納スペースを確認できる「Uスペース」
ラックメーカー各社はEIA(米国電子工業会)規格に準拠しており、取り付け穴の間隔が統一されているため、ラックのサイズの違いに悩まされることなく、機器をスムーズに収納できます。新旧さまざまな世代のIT機器を効率よく収納するにはラックが不可欠です。標準的なラックのサイズは高さが42U(約187cm)、幅が19インチ(約48cm)で、サーバーを縦に積み重ねることでスペースを最大限に活用しています。通常、サーバーは1U分のスペースを占有しますが、2Uや4Uのサイズのものもあります。大型のハードウェアでは、12Uほどのスペースが必要になることもあります。
ラックの高さは「U」という単位で標準化されていますが、奥行きとサイズはメーカーによって若干異なります。業界標準は幅が19インチ(約48cm)、奥行きは36インチ(約91cm)または42インチ(約107cm)です。「フルラック」サーバーモデルは幅19インチで、「ハーフラック」機器(通常はネットワーク機器)は幅9.5インチ(約24cm)です。一般的な高さは42U(73.5インチ、約187cm)または高密度用途向けの48U(84インチ、約213cm)となっています。
PDUの種類:横型か縦型か、そして「ゼロU」とは?
データセンターのスペースを計画する際には、高さ(Uサイズ)だけでなく、ラックPDU(配電ユニット)を横型にするか縦型にするかも考慮する必要があります。どちらを選ぶかは、データセンター管理者の好みによる部分もありますが、エアフローや、機器の奥行きが浅いかどうか、あるいはラック内UPS(無停電電源装置)からの給電が必要かどうかなど、具体的なニーズによって決まります。
横型PDU(「ラックマウント型PDU」とも呼ばれます)は、サーバーのようにラック内に横向きに取り付けます。通常は19インチ幅で、1Uまたは2Uのスペースを占有するため、キャビネットのスペースを計画する際は、サーバーとネットワーク機器を設置した後に横型PDUを取り付けるスペースが十分にあるか考慮する必要があります。
スペースが限られている場合には、縦型PDU(「ラックPDU」とも呼ばれます)という選択肢もあります。こちらはラック内の垂直支柱に沿って縦向きに取り付けます。「ゼロU」と呼ばれるように、ラック内のUスペースを一切占有しないので、ラックに設置された機器の邪魔になることはありません。ラック内の機器にアクセスしやすくし、効率的なエアフローを確保できるよう、通常、縦型PDUはスリムな設計になっています。
データセンターでの適切なUスペースの選び方
データセンターにおけるUスペースがキャビネットやPDUにとって何を意味するのかを理解しておくと、データセンターの通路に設置するラックと機器の選定に役立ち、ニーズを満たすことができます。LegrandはUスペースの計算をサポートし、ラックスペースを隙間なく活用してハードウェアとコンポーネントをすべてぴったりと収納できるようお手伝いいたします。
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