2025年3月7日金曜日

2025年にデータセンターが直面する主な懸念材料

ビジネスアプリケーションやAIの導入が急速に進み、データセンターの容量に対する需要が急増したことで、高密度サーバーや新しいテクノロジーに対する考え方に変化が生じています。特に、データセンター事業者は、データセンター運営にAIを活用するというアイデアを取り入れ始めています。

多くのデータセンターではITや設備への投資とイノベーションを増やすとともに、外部サービスを導入しています。事業者や所有者がコストの増加、需要の高まり、人材の不足、予測困難なワークロードという課題に直面する中、こうした投資が効果を上げるかどうかが今後のデータセンター業界の動向を左右するでしょう。

Uptime Instituteが先日発表した「Global Data Center Survey Results 2024」では、こうした課題をより詳しく理解できるように、回復力、持続可能性、効率性、人員確保、クラウド、AIの各分野における、データセンターの所有者や事業者の取り組みや事例を取り上げています。この調査では、850人以上のデータセンターの所有者や事業者、さらに750人以上のベンダーやコンサルタントに対し、現在抱えている主な懸念事項について回答を求めました。

この記事では、事業者が特に持続可能性、効率性、人員確保、AIに注力していることを示す3つの調査結果をご紹介します。

1.コストと支出の増加
データセンターの所有と運営にかかる費用は、2021年以降上昇傾向にあり、増大する一方です。世界的なインフレは減速しており、深刻なサプライチェーンの問題は緩和されつつあるものの、コスト圧力については依然として高い状態が続いています。

調査に参加したベンダーの半数以上(51%)が、データセンターの支出パターンが通常を上回っていると回答しました。エネルギー、設備、労働力、建設、インフラストラクチャのアップグレード費用も上昇しており、調査回答者の80%がコストについて「やや懸念している」または「非常に懸念している」と回答しました。市場での需要増加が価格を高止まりさせているため、インフレは鈍化しているものの、この傾向は今後も続く可能性があります。

2.需要の不確実性と高密度ワークロード

AIやハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)ワークロードがメディアで注目を集める一方、業界全体への影響が具体的に現れるまでには時間がかかる可能性があります。データセンター事業者や所有者の回答によれば、高密度ワークロードに対応する必要性は、コストの上昇やエネルギー効率の向上と比べると、それほど大きな懸念事項ではないといいます。その一方で、事業者の65%は、高密度化への対応能力について、少なくともある程度の懸念を抱いていると回答しています。

多くの業界関係者は、高密度ワークロードが増加すると予測していますが、その需要が生成AIだけに起因するものではないことも認識しています。事業者は、生成AIワークロードがデータセンターにおいてまだ大きな比重を占めているわけではないと述べています。現在の主な高密度ITワークロードは、依然としてビジネスアプリケーションとハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)です。ほとんどの組織にとって、AI向けの高密度インフラストラクチャはまだ差し迫った需要ではありません。

需要を牽引している要因については、回答者の約50%がビジネスアプリケーション用の高密度化インフラストラクチャだと回答し、アクセラレータを搭載したHPC(33%)がそれに続いたのに対し、生成AIはわずか15%にとどまりました。

3.高密度ラックサーバーの需要拡大

今回の調査によると、データセンター事業者と所有者は、より強力なラックへの移行を徐々に進めています。一般的なラック電力は、主にCPUの消費電力の増大によって徐々に増加しています。最新のボリュームサーバーは、アクセラレータ(GPUなど)を搭載していない場合でも、負荷時に数百ワットを消費することがあります。

調査回答者は、自社施設におけるラック密度の変化率についても言及しています。調査結果から、回答者の約3分の1が、最近の導入においてラック電力の需要が急増しており、中でもコロケーションの導入においてラック電力が最も増加していると述べています。

この増加傾向は、エンタープライズ、コロケーション、クラウド/ホスティングの各セグメントで見られます。ラックあたり6kWから9kWにアップグレードすることで50%の増加となり、これに伴い、多くの施設で電力使用量がその分増加します。

Legrandの見解

Raritanは、こうした傾向を見越して、エンタープライズからコロケーション企業、ハイパースケーラーまで、市場のリーダーと連携して課題に対処し、緩和するための支援を行っています。当社は、今日市場で最もkW数が高い高密度ラックPDUの豊富なラインアップを取り揃えています。エンクロージャーからセンサーまで、当社が提供するさまざまなテクノロジーは、お客様が高コストや不確実性に対処し、徐々に進む高密度化に対応するのに役立ちます。既製ソリューションとカスタムソリューションにおける当社の経験は、あらゆる規模の組織が変化に適応するためのより強力な基盤となることでしょう。

Uptime Instituteとその調査結果についての詳細については、こちらからレポート全文をダウンロードしてください。当社のインテリジェントラックPDUおよびラック管理製品についてはこちらからご覧ください。

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