2024年12月26日木曜日

リモートデータセンターを作る・運用する際に考慮すべきこと

リモート運用を前提としたリモートデータセンター(DC)の数は増加傾向にあります。それらを効果的かつ効率的に運用できるかどうかに影響を与える主な要因について見ていきましょう。

AI、IoT、5Gその他のアプリケーションの導入が進むにつれ、企業は処理や保存に必要なデータの量やデータタイプの増加に直面しています。継続的に高負荷がかかると、従来のオンプレミスのデータセンター(DC)に負担がかかります。コンピューティング、ストレージ、その他のアセットを追加することは可能ですが、スペースや電力供給、冷却能力に限界があります。さらに、こうした追加作業は技術的に複雑であり、日常業務が中断されるリスクもあります。

このような制約を回避するために、オンプレミスのDCをリモートDCで補完する企業が増えています。これらの小型設備が提供する機能はクラウドプロバイダーからも利用可能ですが、厳格なデータ主権規制がある国で事業を展開している企業には、このオプションは利用できません。

どの方法を選択するか
自社でリモートDCを運用することを選択した企業は、データの自律性を維持し、外部プロバイダーへの依存を最小限に抑えたいのかもしれません。さらに、リモートDCは、多重冗長型のデータバックアップを実現するとともに、データ転送コストを削減し、レイテンシとセキュリティを向上させます。また、もう一つのメリットとしては、将来の拡張に備えて事前に計画し、サイズを調整できることです。

リモートDCは必ずしも別の国や大陸にあるわけではなく、隣の県や地域、あるいは同じ市内の反対側にある場合もあります。サイズ的には従来のDCほど大きくはありませんが、エッジDCよりも多くのスペースを占有します。

主な要素
では、リモートDCの新規構築を計画する際に考慮すべき重要な要素は何でしょうか。まずは以下の項目を検討します。

管理可能な、高性能、高密度のインフラストラクチャ
リモートDCにできるだけ多くの高性能アセットを配置することで、適度なサイズを最大限に活用できます。これらのアセットにはそれぞれ電源が必要なため、高密度の電源アウトレットを備えたPDUが最適です。Raritan PX4インテリジェントラックPDUとServer Technology PRO4Xはどちらも、IEC C13とC19を1つのアウトレットに組み合わせた高密度アウトレットを備えており、C14およびC20プラグを両方使用可能で、三相PDUにおいては交互位相配列もしくはブランチ位相配列のアウトレットが配置されています。

高性能PDUは、キャビネットレベルとデバイスレベルで全高調波歪みも測定し、オペレーターはあらゆる機能と正確性を備えた内蔵型の電力品質監視や電力情報を得ることができます。管理を容易にするには、USBポートまたはイーサネットポートを介してデイジーチェーンでPDUをカスケード接続するのが最適です。このようなネットワーク接続により、オペレーターはどこからでもインターネット経由でチェーン内の各デバイスに簡単にアクセス、管理、アップグレードできるようになります。

適切サイズのPDU
PDUは、適切なタイミングでサーバー、ネットワーク機器、ストレージハードウェアに適切な量の電圧と電流を割り当てるという、DCにおいて重要な役割を担っています。他のアセットと同様に、PDUのサイズを適正化し、容量のニーズを正確に評価する能力を身に付けることが重要です。

まず、各ラックにどのデバイスを導入するかを決めます。これにより、PDUアウトレットのタイプ、アウトレットの数、プラグのタイプが決まり、チームがそのラックに必要なkW/kVAを見積もることができます。

次に、各デバイスの銘板にある電力定格を使用して、電力要件を計算します。それらの電力定格の値を合計し、70%を掛けて算出します。ヘッドルームの拡大による増加の可能性も考慮しておきます。

重要なIT機器に安定的に電力を供給するには、適切なPDUを選択することが重要です。LegrandのブランドであるRaritanは、600種類のインテリジェントPDUベースモデルのポートフォリオを提供しており、1,200を超えるSKUバリエーションがあります。

リモートでの保守性
通常、リモートDCにはオンサイトの技術スタッフがいないため、リモートでの保守性が極めて重要です。これまで、ほとんどの企業において、リモートの保守性については、システムステータスのアラート、ソフトリブート、ソフトウェアパッチ適用といった基本的な管理機能に関してのみ検討されていました。しかし、DCインフラストラクチャの密度、性能、ビジネスに対する重要性の高まりに合わせて、リモートでの保守性と管理機能も向上させる必要があります。例としては、フルリモートのKVMセッション、ハードリブート、温度しきい値アラートなどが挙げられます。

Raritanは、機器の設置場所に関係なくBIOSレベルのリモート管理を実現するソリューションを提供しています。KVM-over-IPスイッチ、シリアルコンソールサーバー、シリアルアクセスモジュール、CommandCenter Secure Gatewayなどがそれに該当し、すべてXerusハードウェアもしくはソフトウェアテクノロジープラットフォームをベースとしています。これらを使用することで、DCオペレーターはリモートコンピューター、ネットワーク、施設でのインストール、構成、更新、トラブルシューティングが問題なく行えます。

次月:リモートDCのその他の重要な要素について取り上げます。お楽しみに!

0 件のコメント:

コメントを投稿