2024年12月23日月曜日

より高密度に、よりスマートになるデータセンター:施設管理者はどう対応すべきか

データセンターは、新興テクノロジーの需要に応えるべく進化しなければならないというプレッシャーにさらされています。人工知能(AI)や機械学習(ML)、モノのインターネット(IoT)、他の計算負荷の高いテクノロジーは、データセンター内の密度やインテリジェンスを高める主な要因です。Omdiaの研究者は、この移行をデータセンターを「コンピューティングとストレージの工場からAIの工場に」変えることだと説明しています。そのため、データセンター運営者は、既存の施設を再考し、より高密度で、高効率で、信頼性と持続可能性の高い新しい施設を設計する必要があります。

新規施設と既存施設の両方において、将来のデータセンターのニーズにどう対応するかという問題は、結局のところ電力に行き着きます。電力の品質と配電は、これらのすべての革新的な新技術の基盤です。重要な電力監視装置、インテリジェントラックPDU、トラックバスウェイを組み合わせることで理想的な3つの要素が生まれ、強力で将来性のある基盤を確立できます。

ダウンタイムのジレンマ:電力品質が担う役割  
データセンターは常に稼働しており、ダウンタイムが生じると極めて甚大な影響を与える場合があります。停電が起こると数十万ドルから数百万ドルの損害が生じる可能性があり、業界にとってはそれを回避することが依然として課題となっています。Uptime Instituteによる2023年の調査では、データセンター運営者の60%が過去3年間に停電を経験しており、最も重大な停電の主な原因はオンサイトの電力問題だったという結果が出ています。停電を軽減において見落とされがちなのが、電力品質が担う役割と、電力品質を効果的に監視および管理できないことが、どれだけダウンタイムや機器の損傷につながるかという点です。

データセンターの機器は電力の変動に非常に敏感です。電力品質の問題が起きる主な原因として、電圧が急に下がる「サグ」や上がる「スウェル」、高調波歪み、電気的高速過渡などがあります。さらに、データセンター内の機器自体がこれらの問題を引き起こすこともあります。例えば、サーバーやスイッチ、ストレージシステムに使用される非線形スイッチモード電源、照明用バラスト、非常用電源(UPS)インバータなどが原因になる場合があります。 AIクラスターなどの高性能コンピュータ(HPC)を導入するケースが増えています。これにより、データセンター事業者は電力品質監視(PQM)に取り組み、問題に積極的に対処する必要性が高まっています。

PQMで詳細に可視化:次世代インテリジェントラックPDUの役割
デバイスレベルで継続的なPQMが可能な機器があれば、ダウンタイムや電力品質に関連する他の複雑な問題を軽減しやすくなります。最新世代のインテリジェントラックPDUは、データセンター運営者が必要とする可視性と制御を実現します。RaritanブランドのPX4とServer TechnologyブランドのPRO4Xとで提供されているLegrandのインテリジェントラックPDUは、キャビネットの電力指標とイベントに関する業界最先端の可視性、レポート、アラート機能を備え、さらにクラス最高水準の柔軟性で将来の要件を予想し対応できるオールインワンソリューションです。ミッションクリティカルなアップタイムに対応した設計のPX4とPRO4Xは、容量計画、ワークロード最適化、環境監視、物理的およびデジタルアクセスの制御、稼働時間イニシアチブに革命をもたらします。特別なツールを必要としないシンプルな設置プロセス、高密度アウトレット対応、既存のDCIMまたはBMSソリューションとのシームレスな統合、電力品質の極めて正確なリアルタイム可視化と比類のないセキュリティを実現します。  
 

トラックバスウェイのイノベーションで高密度を実現  
当然ながら、AIやその他の新興テクノロジーへの対応に要する大容量チップや他の機器は膨大な電力を必要とします。すでにデータセンター業界の需要の高さを考えると、これは驚くべきことです。成長は一気に進むわけではなく、指数関数的に進みます。Precedence Researchの予測によると、世界のAI市場が2022年の4,540億ドルから、2032年までに2.6兆ドルに増加する見込みです。この成長に伴い、データセンターのエネルギー使用量もさらに大幅に増加すると見込まれます。国際エネルギー機関(IEA)は、業界の総電力消費量は、2022年の460テラワット時(TWh)から2026年までに1,000TWhを超え、倍増する可能性があると予測しています。

その結果、ラックの電力密度は、現在の最高値の20 kWから40 kW以上に拡大することになります。極端なケースでは、データセンター運営者はラックあたり80 kW~200 kWの密度を実現する必要が出てきます。このような高密度のラックに対応するには、信頼性が高く、柔軟性があり、将来のニーズに適応できる配電システムが必要です。

Starlineトラックバスウェイは、現在市場に出ている中で最も効率的な配電システムの1つです。オーバーヘッド設計によって、フロアレベルでの配線の密集が原因で生じるエアフローの低下や転倒の危険性などの問題を回避できます。トラックバスウェイは、技術的な信頼性、極めて高い汎用性、高密度のサポートを1つの製品に兼ね備えており、最大600Vacまたは600Vdcの定格の3相システムで40~1250アンペアまで、さまざまなサイズで利用できます。このシステムを使用すれば、バスダクトやパイプ、ワイヤー製品に比べて設置時間と労力を大幅に削減できます。何より重要な点として挙げられるのは、Starlineトラックバスウェイは柔軟性が非常に高く、密度要件が増えても電力を中断することなく構成および再構成できることです。

クリティカルパワーモニターですべてを統合  
これらすべてを備えるのが、Starline第3世代のクリティカルパワーモニター製品のM70 CPMです。この収益グレードのエネルギー監視システムにより、データセンター管理者は電気インフラストラクチャのパフォーマンスの最適化に必要なリアルタイムデータを入手できます。このシステムでは電源供給、分岐回路レベル、スタンドアロンエンクロージャで高い粒度を実現します。このメーターには、画期的な温度監視、警報機、フロアから見えやすい回転式ディスプレイなど、さまざまな機能が組み込まれています。さらに、非常に豊富な通信プロトコルオプションも備えています。  

イノベーションのペースについていく  
データセンターがますます高密度化し、スマートになっていくにつれて、施設管理者にはこれらの課題に効果的に対処するための高度なツールが必要になります。PRO4XおよびPX4インテリジェントラックPDU、Starlineトラックバスウェイ、M70 CPMソリューションは、信頼性、効率性、拡張性に優れた電源管理に必要なツールをデータセンター運営者に提供することで、データセンター運営者の能力を高めます。これらのテクノロジーを採用することで、データセンター管理者は時代の一歩先を行き、高密度および高電力使用の時代に成功できるよう施設を最適化できるようになります。詳しくは、ここから高密度データセンターの設計に関するホワイトペーパーをダウンロードしてください。  

データセンターを進化させるLegrandソリューションに関するお問い合わせは、こちらからお問い合わせください。  

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