2021年3月30日火曜日

2021年注目のデータセンタートレンド

2021年になってもコロナ禍の影響は続いているため、2020年にデータセンター事業者が取り組んだトレンドや課題は2021年にも引き継がれています。例えばデジタルトランスフォーメーションプロジェクトの加速や、在宅勤務対応のテクノロジーやサポートの提供なども含まれます。 

そのほかにデータセンター業界には、何が待ち受けているでしょうか? 2021年のデータセンターのトップトレンドをいくつか見てみましょう。IDCをはじめとした調査会社Iが、データセンターのプロバイダーとオペレーターにとって、最も重要な問題になると予測しているものです。 

1.    加速するクラウドの導入。 IDCの予測によると、2021年の年末までに、80%の企業がコロナ前の2倍の速さで、クラウドインフラストラクチャとアプリケーションへの移行を可能にするプロセスを導入すると見込んでいます。 それはIT管理者たちが競争に勝ち抜き、組織のレジリエンス(回復力)を高めるための対策だとIDCでは語ります。 

2.    エッジデータセンターの成長。 調査会社ForresterResearchは、エッジコンピューティングが2021年に変曲点に達し、それが導入を後押しすると予測しています。事実、調査会社Omdiaによると、2024年までにエッジに導入されるサーバーの数は2倍の470万台になるとのことです。 

電気通信事業者、クラウドサービスプロバイダー、エンタープライズ企業は、コンピューティングパワーとデータストレージがユーザーや設備にとって身近となった事を受けて、高速処理を可能にするエッジデータセンターの成長を推進しています。現在アーリーアダプターはビデオコンテンツ配信、生産の自動化、小売店管理にエッジコンピューティングを使用しているとOmdiaは述べています。 将来的には、自動運転車や拡張現実、仮想現実などの新しいアプリケーションがさらに導入を促進するでしょう。 

Forrester Researchによると、2021年のエッジコンピューティングの成長を促進する重要な展開の1つは、組織がプライベート5Gネットワークを構築できることです。これは、倉庫、造船所、工場など、特定の業種や場所に特化したネットワークです。 「IoTによって実現される倉庫ロボットや工場の工作機械などのビジネスインフラストラクチャには、ローカル処理と低遅延ネットワークが必要です。 エッジコンピューティングと5Gは、いずれもこういった用途に対応しています」と、Forresterの副社長兼リサーチディレクターGlenn O’Donnellはブログで述べています。 

3.    データセンターをリモートで管理し、自律的IT運用への移行を促進します。 Data Center Knowledgeの最近の記事によると、データセンター事業者や社内データセンターを管理するエンタープライズでは、このコロナ禍でリモートでのデータセンター管理や監視ツールの重要性を再発見しました。 ソーシャルディスタンスや従業員の安全を確保するために、企業では今年以降さらにリモート管理ツールの採用を増やすことが期待されています。 

Data Center Knowledgeの報告書では、IDCが最近調査した企業のほぼ半数がデータセンターのリモート監視ツールに投資する予定であると述べています。 

IDCはまた、自律的IT運用つまり自動化への移行が進むと予測しています。 今日、分析と機械学習を使用してIT運用とプロセスを自動化する新しいAIOps(IT運用のための人工知能)ツールが登場しています。 IDCは、ITやビジネスの自動化への取り組みのためのプラットフォームとして機能する新しいクラウドエコシステムが2023年までに登場すると予測しています。

4.    より持続可能なオペレーションに。 近年、データセンター事業者やオペレーターは施設に再生可能エネルギーを供給し、より効率的なハードウェアを導入することで電力消費を削減する取り組みを強化しています。IDCは、2025年までにGlobal 2000にランキングされた90%の企業がITハードウェアに再利用可能な素材を義務付け、エネルギー使用量を削減し、データセンター施設のカーボンニュートラル目標を策定すると予測しています。 

5.    データセンターの投資は回復します。 世界でのデータセンターインフラストラクチャへの投資は2020年に10%減少しましたが、2021年には6%増加して2,000億ドルになると、調査会社ガートナーは予測しています。 エンタプライズのデータセンターは拡張計画を再開することが期待されており、ハイパースケーラーはパブリッククラウドへの継続的な投資により、グローバル拡張計画を継続することが期待されています。 ガートナーのシニアリサーチディレクターNaveen Mishra氏はプレスリリースで、「2020年に減少した需要の多くは、スタッフが物理的に現場にいることができる2021年に戻ると予想されています」と述べています。 

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