2023年8月10日木曜日

応用事例: インドの大企業が三相PDUの採用で多大な利益を獲得

より低い取引コストで、パフォーマンス、パワーヘッドルーム、制御、PUEがすべて改善

インドでは他の多くの国と同様、国民や住民が公共サービスを利用したり、ローンを申し込んだりする際に、独自のデジタルバリデーションを本人認証に使用します。あらゆる機関や組織は、本人確認(KYC)文書を収集し、検証プロセスによってこれらの文書を政府機関に確認する必要があります。ある企業はそのようなバリデーションや検証を担当しています。デジタルバリデーションIDの発行率が非常に高く、インドの人口が14億で、その年齢の中央値がインターネットに詳しい28.4歳であることを考えると、その責任は非常に重いものです。したがって、IDのバリデーションおよび検証プロセスを推進するITリソースは、課題に対応でき、拡張性を有するものである必要があります。

その企業はたった1か所のデータセンターでバリデーションおよび検証プロセスの運営を開始しましたが、KYCの要求が拡大し、検証量が増えるに伴い、データセンターをもう1か所追加しました。数年前までこのやり方で十分だったのですが、データセンターの電力信頼性と電源容量に問題を抱えるようになりました。当時、いずれのデータセンターもさまざまなメーカーの単相PDUを使用し、最初の数年間は所定の機能を果たしていましたが、増え続ける検証量によってその負荷が大きくなっていました。その上、企業は電力量ヘッドルームの縮小に直面していました。

HPCへの移行
同時に、企業は非常に大きなコンピューティングニーズに対応するため、ワークステーションやサーバーから通常得られるよりはるかに高い性能を発揮できるようコンピューティングパワーを集約する、ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)への移行を決定しました。

HPCには、その時点で使用されていた単相PDUで提供できるより多くの電力が必要です。そのため、企業には次の2つの選択肢がありました。
1) データセンターの床面積を増やし、より多くのラック、サーバー、PDUを収容できるようにする。
2) より大規模なデータセンターを新設する。

今後数年のうちにさらなる施設拡張が必要となる可能性がきわめて高いことを考えると、第1の選択肢を採用するのは難しいでしょう。一方、第2の選択肢では、建設にさらに多くの時間を要し、事業への支障が生じます。

いずれの選択肢も現実的ではありませんでしたので、企業は電力信頼性と容量の問題を考え直すことにしました。企業は最終的に、三相PDUへの切り替えが最も妥当であると判断しました。それなら、床面積を増やしたり、ましてや新しいデータセンターを増設したりする必要はなく、電力集約型のHPCアセットの利用が可能になるからです。


三相PDUは最良の選択肢
企業は、現在のニーズを検討し、ヘッドルームの将来の拡大を見越した上で、単相PDUを1ラックあたり最大55kWの電力を提供できる三相PDUに交換したほうが、先に挙げた2つの選択肢より経済的で、企業の要求事項を充足するだろうと決意しました。

6か月かけて複数のサプライヤーのソリューションを評価した後、その品質の高さと機能の豊富さから、55KWラリタンPDUモデルを選択しました。企業にとって同じぐらい重要だったのは、他のサプライヤーでは提供できない相補型ラリタンスマートラックコントローラーが利用できることでした。コントローラーは、環境監視、アセット位置、物理アクセス、その他の監視およびセキュリティセンサー用のプラグアンドプレイ中央接続ポイントとして、BMSおよびDCIMソフトウェアとシームレスに統合され、配電やITインフラへの変更を最小限に抑えつつ、データセンターに関するリアルタイムの実行可能データを収集、提供します。

明確で測定可能な利益
ラリタンは3か月かけて、2か所のデータセンターで並行して作業を進め、合計120ラックに三相PDU、スマートラックコントローラー、温度・湿度などのセンサー、ファイアウォール、その他の機器を設置し、試運転を行いました。この作業は十分に計画を立てた上で行われたので、ソース、ラック、データセンター間で負荷を移動させながらダウンタイムを最小限に抑えることができました。企業はこの機会を利用して、システムが交互に稼働している間に、新しいHPCアセットに切り替えました。

新しいHPCアセット、三相PDUやその他の機器のおかげで、企業はデータセンターの面積を1平方フィートたりとも増やすことなく、これまで以上のコンピューティング能力を手に入れています。電源容量は3倍以上増え、将来の拡張に備えてヘッドルームもさらに確保できています。本人確認の処理効率は3倍に増え、電力供給と電力容量の管理は改善され、不良ITアセットも大幅に減少しています。さらに、取引毎の総コストも減少し、PUEは1.8から1.4に低下し、さらなる最適化が進行中です。


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