2022年2月10日木曜日

量子コンピューティングの考察

量子コンピューティングは、現在ある従来型のコンピュータとは異なります。

現代のコンピューターは、1と0の文字列で情報を表現し、ブール論理関数を実行したり、算術演算を行うすることに依存しています。量子コンピューティングの領域はこれとは異なり、複数の状態を同時に表す量子ビットにデータを格納し、処理します。「シュレーディンガーの猫」で検索していただくと分かりやすいかもしれません。

なぜそれが重要なのか?量子コンピューティングは、組み合わせ論(特定の目標や終点を中心に複数の変数を最適化する技術)の取り扱いに非常に優れています。現在のコンピュータは組合せを評価する際に、一度に1つの変数(順列)を繰り返し計算します。一方で量子コンピューティングは、多くの順列を同時に評価することができるため、従来なら解けなかったような問題を、合理的な時間内で解くことができます。

例えば今日の暗号化アルゴリズムは、2.048ビットの暗号まで出てくるかもしれません。これは現代のコンピューターでは実質的に解読不可能ですが、2000万量子ビットの処理能力を持つ量子コンピューターでは8時間程度で実現可能と言われています。気象、金融、交通輸送管理、計算化学などでも同様のモデル化の改善が期待されます。

量子コンピューティングの分野には、お馴染みのプレーヤーも新しいプレーヤーもいます。Google、 IBM、 Rigetti Computing、マイクロソフト、Post-Quantum、ダイムラー、フォルクスワーゲングループ、 Communique、アクセンチュア、 1Qbit、エアバス、アリババ、 AT&T、 Atom、 Atos、百度、Booz Allen Hamilton、 ColdQuanta、D-Wave、 ハネウェル、IonQ、 Infineon、インテル、ロッキード・マーチン、三菱、ノキア・ベル研究所、Northrup Grumman、 NTT、 Quantum Computing Inc、 Quantum eMotion、 Raytheon、 Strangeworks、東芝、Xanadu、 Zapata Computingがこの分野で活躍しており、毎日のように新規参入が続いています。

マッキンゼー&カンパニーは、量子コンピューティングの戦略策定を開始するよう、企業のリーダーに勧告しています。

「GlobeNewswire によると、2019年の世界の量子コンピューティング市場は5億710万ドルと評価されました。2030年までにはCAGR56%で成長し、650億ドルに達すると予測されています。量子コンピューティング市場では、北米と欧州が78%以上を占めると予想されています。」

この成長率を実現するためには、いくつかの要因が迅速にまとまる必要があります。ハードウェアの設計では量子ビットの密度や耐障害性を高める必要があります。また量子インフラを最大限に活用し、高額な初期費用を償却するためには、クラウドベースでアクセスできることが必要です。

 

参考資料

https://builtin.com/hardware/quantum-computing-applications

https://analyticsindiamag.com/top-applications-of-quantum-computing-everyone-should-know-about/

https://www.rankred.com/applications-of-quantum-computing/

https://hbr.org/2021/07/quantum-computing-is-coming-what-can-it-do

https://quantumcomputingreport.com/public-companies/

 

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